一年前の出来事

週末に、近くで開催されるサッカーサービスのクラス体験をさせてもらいました。サッカーサービスはプロの選手やコーチ達、チーム全体もコーチングするスペインのバルセロナで長く指導していたコーチ達が中心になり立ち上げたサッカーのコンサルタント会社です。長年バルサのキャプテンを務めたプジョル選手も現役時にここのコンサルティングを受けていました。日本にはあまりなじみの無い選手に問いかけながら考えさせるサッカートレーニングを基本にしています。

この日集まった選手は3人。U13カテゴリーの体験クラスは珍しいし、ジュニアユースになってスケジュールを合わせるのは難しく、息子もジュニアユースのチームが1日から始動し、週末には公式戦が予定されています。チーム練習とリーグ戦で週5~6日は埋まってしまうのでこのクラスをとることは難しい事だと思いますが、内容はとても良かったと思います。毎回一つのテーマに的を絞り、そのテーマを深く選手達に理解させて行きます。この日のテーマは一対一でのディフェンス。ディフェンスの時の優先順位と体の使い方を細かく指導してくれました。ディフェンスは、腕、身体、脚の順でボールを奪いに行く事を基本としていると説明し、息子は練習後に真っ先にこの事を話だしました。

何故かと言うと、息子が6年生になったばかりの頃、6年生のトレセンに新たなコーチが加わりました。そのコーチは息子がボールをキープするときに腕を使って相手をブロックする行為に対し、“腕を使うな!!“と怒鳴り散らしていました。戸惑っている息子に対し周りのコーチ達は何も言いません。5年生のトレセンの練習で一番最初にやったトレーニングは一対一のディフェンスでした。その時にも腕と身体を使ってボールをキープ練習を集中的にやっていたのにです。トレセンのコーチ同士がどの様な力関係があるかは分かりませんが、新たなコーチによって今迄やってきたことを否定され、周りのコーチも黙認してしまう態度と雰囲気には、私も首を傾げずにはいられませんでした。しかもこちらからすれば、そのコーチの経歴も何も知らず、一方的な怒鳴りながらの指導には疑問な点が多く残りました。

サッカーサービスの練習後、3人中2人は足早に帰ってしまったので、私達の所へコーチが話しかけに来てくれました。通訳の人を交え息子へ質問しているうちに今回のテーマについての話になり、海外からのコーチと言う事も有り約一年前のトレセンでのコーチについての件を聞いてみました。日本人選手は体を入れてボールを奪う事は出来ている、とした上で腕の使い方はJリーグの試合を見てもまだまだ改善の余地が有るとスペイン人コーチは指摘していました。ま~トレセンでの件は指導の一貫性の問題ですが、これからの時代、海外のコーチ陣の指導を受けている子供達が増えて行く中で、指導するコーチも大変ですが、指導力を上げて行かないと子供達もついて行かない様になってしまいます。。アドバンスクラスで腕を使いボールを奪いに行ったりしてファウルを取られた事も有りませんし怒られた事も有りませんでしたが、今回息子は直接スペイン人コーチに腕の使い方の指導を受け、心の隅に有った腑に落ちない部分が取れ、すっきりした様子です。

親としては、今回の体験を通じてコーチの言う事を鵜呑みにする事の危険さを改めて感じました。所属チームやトレセンのコーチの言う事を全て鵜呑みにしてしまうと子供達が戸惑ってしまったりやる気を失くしてしまう事も有りえる訳です。息子もそのコーチに何度も腕のことで叱咤され、楽しみにしていたトレセンもモチベーションが下がる様になってしまいました。この様な事は学校でも起こります。先生の言う事がいつも正しいとは限りませんし、子供がただ怒られたことに対して言い訳をしている時もあります。

その様な時、私は子供の不満をまずは聞いてあげる事に徹します。そして話をしてくれた内容から今度は角度を変えて質問したりします。そうしているうちに何となく話の全容が見えてきます。そしてなぜ息子が不満を抱いているのかが分かってきます。大事な事は先生やコーチに叱られたり、何かを言われたからと言って子供の言う不満を否定しないと言う事です。子供なりの言い分を理解してあげると言う事です。その上でアドバイス的に説明してあげると子供も納得しやすくなります。でも、これを実践するには親の方に心の余裕が無ければなりません。時間に追われている毎日の生活の中で頭では分かっていても出来ない事は沢山あります。この部分が子育ての難しいところなのかもしれません。仕事や家庭内の事は一つ一つ片付けて行けば終り/結果が見えます。しかし子育てと言うものは直ぐに結果は出ないし達成感を日々感じる事も難しい訳です。そこで愛情を持つ事が絶対条件として必要になります。生活のストレスも愛情によって中和する事が出来なくなってしまえば、しわ寄せは子供へと連鎖して行きます。なかなか出来ませんが、他人への不満をいうよりも、自分自身の気持ちの持ち方で全ては変わると言う事を常に意識して行きたいです。

子育てとサッカー

過去の記事はこちら

0コメント

  • 1000 / 1000