本当の相手
選抜大会へ向けての強化試合が地元クラブチームの中学一年生相手に行われました。このチームには息子の一つ上の先輩が所属していて息子は会える事を楽しみにしていました。選抜の3チームはほぼメンバーが決まって来たようで、息子はセレクションで選ばれた中盤ではなく最終ラインの様です。苦手意識の高かったディフェンスのポジションも大分慣れてきた様子ですが、まだまだディフェンスの基本的な事は指導してもらわなければ不安だらけの最終ラインのままです。
サッカーは答えの無いスポーツと言われますが、ディフェンスに関してはある程度の決まり事や戦術的な基本要素と言う物が有り、それは指導しなければ選手には分からないと思うのです。最近ではサッカー指導で教えすぎていると批判の声も有りますが、戦術や基本の要素は教えなければ選手には分かりません。数学で方程式を教えても答えを教えている事にはならないのと一緒です。数的不利の状況での対応や攻められている時の体の向きなどはその時の状況を観てその選手が判断すべき事ですが、守りの基本があり、答えがあるのがディフェンスとオフェンスの大きな違いだと思うのです。それをこの短い期間で各選手に落とし込むにはディフェンスのポジションは特に個別にトレーニングする必要があると思います。ゴールキーパーだけが別メニューの練習をする事と同じで、ディフェンスの選手にも別メニューの練習があっても良いと思うのですが。練習試合の時のミスを指摘するだけではこの短い期間内ではとても修正しきれない筈です。6年生の選抜大会は子供達にとって一生に一度の大会です。ましてや、息子の様な選手にとっては初めての大きな公式戦となる訳です。しかも、普段の慣れているポジションではなく、苦手なポジションでの参加です。コーチの判断による変更ですので構いませんが、もう少し指導して欲しいと言うのが私の本音です。なぜなら、このポジションでのミスはある程度未然に防ぐ事が出来るからです。きちんと準備をして、それでもミスはします。でもどうせやるならば出来るだけの事はきっちりやった上で臨まないと後にも続かないと思うのです。何をするにも本気で出来る限りの努力と対策を練って行えば結果に関係なく必ず自分に残るものが有るものです。その残るものの蓄積がこれから先の人生で大きな違いを生み出して行くと思うのです。一生のうちでこの様な機会に巡り合える事もあまりない事です。大げさに聞こえるかもしれませんが、普段の生活の中から、ほんの些細な事にもこれぐらいの気持ちの感じ方が出来れば自分の見ている世界も変わって行きます。結果にとらわれないと言う事は、勝ち負けにこだわらないと言うのではなく、自分の努力が結果以上の物を自分に残せたかどうかによる、という事だと思います。相手があっての勝負ですが、本当に戦っているのは自分自身の中にある気持ちや考え方なのだと言う事です。
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