指導と育成
先週の5年生選抜研修大会メンバーのセレクション後に、息子が言っていた事が少し気になっていたのですが、2次セレクションの時にいた上手な選手で息子がセレクションに通るだろうと思っていたある選手が、最終セレクションの時には見かけなかったと言うのです。最終セレクション終了後トレセンコーチが、いくらサッカーが上手でもチームワークを乱すような選手、チームメイトへ文句を言うような選手はこのブロックトレセンメンバーには要りません。と説明しているのを聞いて、息子はピンと来たそうです。その子は息子のチームと対戦した時その子のチームメイトのミスを批判していたそうです。もしも、その事が原因でその子が2次セレクションを通過出来なかったとしたら、、、、、と想像すると色々な事を考えてしまったので、私の勝手な意見を述べさせてもらいます。賛否両論有ると思いますが、これは私の個人的な意見ですので、悪しからず。
例えば、チーム1サッカーが上手く、チームメイトのミスにいちいち文句を言う。チームメイトはその子に言い返す事が出来ず、ミスをしないように消極的なプレイになってしまい更にミスをしてしまう。チームメイトにその様な子がいると確かにチームとしてまとまらなくなるかもしれません。しかし、その子の性格やその子の周りの環境で批判的な言い方になってしまう事もあると思うんです。まだ10歳や11歳の子供ですし、これからいくらでも良い方向へ伸びて行ける可能性を持っているんです。サッカーが上手なのだから、人一倍サッカーが好きなんだと思います。だとしたら、その子の良いところをもっと伸ばして行ける様に方向を示しながら問題点を改善して行く事が指導であり育成すると言う事じゃないかと思うんですが。その子がチームメイトのミスを批判する、と言う問題点を大きく取り上げ、その子のサッカーの良い所には目を閉じてしまう様な事になってしまうと、何の為に小学生からの育成をしているのでしょう?間違った事をしてしまうのが子供たちですよね?
その様な短所も含めて、その子の個性になるわけで他の子にない短所が目立ち過ぎるからと言ってその子の良いところまで否定しては、本当の育成にはならないと思うんです。この段階から子供達の個性を削ぎ落としてしまっては、同じ様なサッカーをする選手しか育たないと思ってしまいます。
これと対象的だったのがアメリカにいた時に息子が入っていたサッカーチームです。いろんな子供達がいるんです、良くも悪くも。もちろん先程のチームメイトに文句を言う子もいました。国籍もバラバラですし親の価値観も違う訳です。そんな多種多様なU9の子供達30名をコーチは各子供達の個性を伸ばして行く様に指導していたように思います。実際には、公式戦でも何の指示も出さずに子供達の好きなようにサッカーをやらせていました。すると文句を言う選手には、たとえゴール前でフリーでいても、わざとパスを出さなかったりします。勿論その子はさらに文句を行ってきます。でもコーチはそれに対して口出ししてこないのです。わざと子供達同士で出来るところまで解決させようとさせていました。なんでパスしないんだ!と言うその子に対して、周りの子たちは、文句ばかり言っているからだ!と言い返します。本当に喧嘩になりそうにならない限り、コーチは見ているだけです。個性の強い子達が集まる中でもその様に自然とチームワークと言うものを学んで行くのだろうと思いました。コーチは頭ごなしにはその様な子を批判したりしませんでしたし、その子が良いプレイをすると褒めていました。その中でアドバイスする様なニュアンスでその子の問題点をその子自身に考えさせる様に仕向けていたとおもいます。成人したプロの選手でも問題児的な選手はいますし、問題児でも、プロなので結果を残す選手には良いオファーが舞い込んでくる訳です。プロになったら逆に個性の強い選手の方が良かったりするんですよね~。
例えば、プロの選手で問題児とされる選手。
筆頭にルイス スアレスがいます。彼の行為はむしろ犯罪に近い訳です。しかし現在、名門クラブ バルセロナでプレイしています。成人した彼が幾度となく繰り返した犯罪に近い行為をリヴァプールのブレンダン ロジャーズ監督は辛抱強く改善して翌年優勝こそ逃したが得点王となりました。そしてその夏、ワールドカップでまたも噛みつき出場停止。代表チームは決勝ラウンド1回戦で大敗した。と言った問題児ですが彼のサッカーセンスに惚れ込むチームがいる訳です。この場合問題点を脇に置いておいて、彼の良い所を優先して少しずつ問題点を改善して行く選択をしているのでしょう。勿論プロのプレーヤーと11歳の子供では比較出来ませんが、問題点を改善して行くには、多くのエネルギーを必要とします。もし、少年サッカーのコーチをしていて、その様な子がチームにいると面倒だと感じて突き放すのであれば、それは指導者、育成者とは言えません。相手はこれから全ての面で成長して行くゴールデンエイジの子供達です。指導者には、強い情熱や長い目で見る辛抱強さも必要だと感じます。サッカーのコーチだから戦術やボールの奪い方を教えれば良いのではなく、サッカーを通じてその子の問題点を改善し、良さを伸ばして行ける様にアプローチする事が出来れば、日本のサッカーも変わって行くのかな~と感じます。
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